114:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 02:28:30.24 ID:smyUCZOA0
曜「……っ」
突然の明るさに曜ちゃんが呻く。
千歌「あ……」
曜「これが……」
ひらひらと、光を受けて輝きながら、白い短冊が落ちてくる。
『入部届 渡辺曜』
千歌「曜、ちゃん」
曜「うん、千歌ちゃん。気を付けて」
ゆっくりと手を伸ばす。
梨子ちゃんの時と同じなら、これに触ればまた「戻る」。
千歌「いいの、かな」
触れば戻る。
曜ちゃんの想いは、決意は、夢は、なかったことになる。
曜ちゃんのお父さんは滅多に帰ってこなくなる。
そのことを本当は寂しいと思っていたことを、私は知っている。
曜「千歌ちゃん」
直前で震えた私の手を、曜ちゃんが掴んだ。
そっと、手を『入部届』に押し付けられる。
千歌「くっ……!」
強い眩暈に襲われる。
視界が真っ白に染まっていく。
曜ちゃんの声は、どんどん遠く。
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