112:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 02:26:30.31 ID:smyUCZOA0
曜「そしたらさ、そしたら……もう1回、受けるって。もう1回チャンスがあるなら、やるって」
曜「全然、諦めきれてないんだ。パパ、諦めなんて、ついてなかったんだ」
目を横に向けると、曜ちゃんは顔に力を入れて斜め上を見ていた。
曜「ずうっと、ずうっとさ。夢を叶えられなかったこと、悔しくて。それで、せめて私だけでもって。そう思ったって……」
千歌「……」
曜「だから、私は、パパの夢を叶えたい。そして、私の夢も」
曜ちゃんはまっすぐ私に目を合わせてそう言った。
千歌「曜、ちゃん……」
曜「千歌ちゃんなら、それができるんだよね? 私は、私たちは消えちゃうかもしれないけど……」
千歌「曜ちゃんは、どうするの……?」
曜「私、は……もし、消えなかったら」
曜「両方やるよ。水泳部も、スクールアイドルも、どっちもやる」
曜「どっちもやりたいんだ。パパとやってきた水泳も。千歌ちゃんとやるスクールアイドルも」
曜「両方やってもいいんだって、千歌ちゃんのおかげで気がつけたから」
曜「きっと、『千歌ちゃん』一緒だったら飛べるから。どっちも、諦めたくないんだ」
曜「千歌ちゃんが知ってる私も、そうしてたんでしょ?」
曜「だから私は、『千歌ちゃん』を待ってるよ」
にこりと笑うと、曜ちゃんは私に近寄って―――
ぎゅっと抱きしめた。
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