111:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 02:24:40.95 ID:smyUCZOA0
――――
「明日、放課後に教室に残っていてほしい」
曜ちゃんからそう連絡があったのは、もう日付が変わる直前のことだった。
言われた通りに、チャイムが鳴っても教室に残る。
だんだんと、周りの雑音が減っていく。
先生や友達が、話しながら教室から去っていく。
時折、そよそよと木の枝が揺れる音が聞こえてくる。
授業中も上の空の私と曜ちゃんを、梨子ちゃんは何も言わずにじっと見ていた。
そして最後まで気になるそぶりを見せながらも、結局何も聞かずに歩いて行った。
言葉の代わりにポンと叩かれた肩が、妙に温かかった。
千歌「……」
曜「……」
曜「千歌ちゃん」
前を向いたまま、曜ちゃんが話しかけてきた。
曜「昨日ね、パパと話したんだ」
千歌「……うん」
曜「今から何でもやり直せるとしたら、どうするかって」
平坦な声で、曜ちゃんが話す。
私も、ただただ黒板を見つめながら聞いていた。
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