89: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 22:16:24.09 ID:5UUNa7QZ0
その日は、朝から落ち着かなかった。
スマホが振動するたびに私は画面を見て、遊びの誘いだったりメルマガだったり登録したまま解除の仕方が分からなくなった星座占いだったりを見ては肩を落とした。
授業中も身が入らなくて、カチカチとシャーペンの芯を出して何本か無駄にした。
黒板を書き写そうと思っても、何度も中断するせいで転写は飛び飛びになって、面倒な穴埋めクイズを作り出しただけだった。
お昼休みでは友達とご飯を一緒に食べながら、チラチラとスマホを伺って、どうしたのと友達からも訝しがられてしまった。
そんな帰り道。
ドキリとした。
プロデューサーからメッセージが入っていた。
あれだけ気にしていたのに、そのメッセージに気付くのは遅れてしまった。
私は恐る恐る、メッセージを開いた。
『サンセットノスタルジー、企画通った』
歩道だというのに、周りの目を気にしないで私はガッツポーズをした。
近くを歩いていた小学生が、びっくりした顔で私を見ていた。
165Res/216.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20