83: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 22:05:52.77 ID:5UUNa7QZ0
「いいじゃないですか、プロデューサー。素敵ですよ星空って!」
「そうだな……悪いモチーフじゃないのかも」
最初は興味を示さないようだったけど、吟味するうちに意見が変わったようだ。
プロデューサーは一人頷いてた。頭の中では既に色々なイメージがめぐっているようだ。
「それなら部長も納得してくれるかも」
ポロリと漏れた言葉が、私は気になった。
「部長?」
「あ、ああ。部長が、あんまりサンノスに乗り気じゃないんでね」
「部長さんって、どんな人でしたっけ?」
部長ということは、プロデューサーの上司となる人だから私たちも顔を合わせているはず。
忘れてしまうなんて、みうみうもうっかりしているというか。
なんて思ったけど。
「あれ? どんな人だろ」
私も全く顔が浮かばなかった。
「仕方ないさ。部長はアイドルとは顔を合わせないようにしてるからな」
「そうなんですか?」
「ああ、悪い人じゃないんだがな……リアリストというか、捻てるというか。私情をはさみたくないのさ」
上に立つということは、アイドルの活動に対して、厳しい決断を下さなければならないこともある。
そういうときには、アイドルと顔見知りではない方がいいと考えてるタイプか。
それって、逃げてるようにも思えた。
私たちと向き合っていないんじゃないか。
椅子に座って、書類の上の数字だけを見て。利益になるか、ならないか。
この子はお金になる。この子はお金にならない。
私たちの頑張りなんか気にもしないで、管理しているのだろうか。
理屈は分かるけど、なんだか嫌な感じだった。
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