71: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:47:25.68 ID:5UUNa7QZ0
でも、自分で歌っていてなんだが、今のはなかなか良かったのではないか。
ひらめきが頭に浮かんだ。
「そうだよ、今みたいにさ。アレンジしてみたらどうかな?」
「アレンジ?」
「そう。例えば、舞台にピアノを持ってって、くみちーのピアノの伴奏で曲を歌うの。しっとり大人な感じでさ」
私たちはあの頃のように三人で舞台に立ちたい。
でも、なにもかもがあの頃のままである理由はない。
私たちだって変わっているのだから、サンノスのありようが変わっても問題はない。
「それいいかも!」
くみちーも感心するように言った。
「それなら早速よ。未央、スマホ」
「スマホ?」
「プロデューサーに電話よ」
「ホントに早速だね」
言うが早いかとは、まさにこのことだ。
「思い立ったら吉日よ。未央のスマホってテレビ電話ってできる?」
「つまり……演奏をみせるってことだね。電話越しに」
「そういうこと」
電話越しに演奏を聴かせることはできるが、映像があった方が何倍も効果的にアピールできるだろう。
あいにく私のスマホでは出来なかった。くみちーのスマホでも出来なかったが、タブレットのアプリではできるらしい。電話をしてからそのアプリで映像を送ることにした。
くみちーがタブレットを取りに行っている間に、私はプロデューサーに電話をかける。
しかし、呼び出し音が鳴り響くばかりで電話に出る気配がない。くみちーが戻ってきた時に、留守電に切り替わった。
「プロデューサー、なんて?」
電話を切った私に、くみちーが聞いてきた。
「それが電話に出なくてさ。仕事中かな」
「そっか、それはそうだよね」
世間は休日でも、プロデューサーが休日とは限らない。
仕事だとしても、事務所ではなく他の仕事現場に行っている可能性もあった。
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