本田未央「Re:サンセットノスタルジー」
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39: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 20:52:47.05 ID:5UUNa7QZ0


 足を伸ばしてゆっくり考えるほど、ウチのお風呂は広くなかった。

 膝をちょっと丸めて、意味もなく足を湯船から出してみたり。


「いっそお色気で……?」


 私やくみちーはもちろん、実はみうみうだってよいものを持っている。

 それを武器にしない手はないだろう。周りに止められそうな予感がするが。

 くみちーはみうみうにも連絡すると言っていた。

 私も少しみうみうと話したかった。後で、電話かメールでもしよう。

 お風呂から出ると、食べようと思っていたプリンがなくなっていた。帰りにコンビニで買って来たものだ。

 考えごとには甘いものが必要だというのに。


「お母さん、私のプリンは?」

「プリン? 知らないわよ」


 となれば、思いつくのは弟だった。


「ちょっと。私のプリン食べた?」


 部屋を覗き込む。弟はスマホで動画を見ていたけど、私が来たのに気付いて慌てて画面を机にうつぶせて置いた。


「勝手に入ってくんなよ、姉ちゃん」

「私のプリンは?」

「はあ? プリンなんか知らねえよ」

「嘘ついたら承知しないぞ」

「そんな嘘ついてどうすんだよ。冷蔵庫の奥に入ってるんじゃねえの」

「かなあ」


 そう言って去ろうと思ったけど。


「……変なの見るのも、程々にしろよなー」


 弟だって、そういうのに興味を持つのもおかしくない。男子だもの。

 ニヤついた私に、弟は顔を赤くした。





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