八幡「異本・たとえばこんなバースデーソング」
1- 20
47: ◆A95oCT.s2k[sage saga]
2017/06/18(日) 19:30:26.71 ID:/+LAMdvF0
   ×   ×   ×

 ザザ虫くんのおかげで作業は調子を取り戻して来ていた。

 ニコ動にある動画を見ては色々と切り絵関係の動画を参考にした事もあり、パターン豊富な装飾がどんどん教室を彩って行く。 

 そんなみんなを見ながら、私はとべっちと一緒に黒板に結衣の似顔絵を描いていた。

 その時。


「……!! ーーっっ……! っっはぁ……だめだぁ、この風船、なかなか膨らまないね」

 戸塚くんが飾り付け用の風船を膨らまそうとしてたけど、なかなか上手く膨らまないようだった。

 その時、大和くんが戸塚くんに向けて話しかける。


「戸塚、貸してみ」

「ふぇ、大和くん……」

「こーゆーのはコツがいるんだ」

 そう言うと大和くんが何という事でしょう、“戸塚くんの咥えていた”風船を口に含み、一気に膨らませる。

 そして私の中の何かも一気に膨らんでいった。


「うわぁ、大和くん、すごいねー」

「へへへ、これでもラグビー部だし、肺活量には自信あるんだぜ」

「うわぁ……ほんとだ、すごい筋肉、僕もそうなりたいなぁ」

 そんな男子の花園の光景に鼻血をドバドバ垂らしながら見ていると、何を勘違いしたのか、とべっちが


「海老名さん風船膨らませる男がいいのか……よし、お、俺も風船膨らますぞーー!! それよこせえー!!」

 と大和くんの方に駆けて行った。うん、いいよいいよ、もっとやって。

 ……でも、黒板の方が止まっちゃったのはいけないよねぇ、私は意識を戻し、端っこで折り紙を切っているザザ虫くんに声をかけてみる。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
83Res/95.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice