34: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:31:22.30 ID:yFIcZ1s10
言葉を探す。今、この瞬間でプロデューサーさんを納得させられるような意見を模索する。でも、そんな意見見つかるはずもなかった。いや、それを口に出せるはずもなかった。
「そうは言ってもな……」
「プロデューサーさんが教えてくれたから、私はここまで出来るようになったんです!」
必死に、言葉を繰る。量さえぶつければ何とかなるんじゃないか、というそれこそ子供じみた発想。そんなか細い理由でも、今の私は縋るしかなかった。
「一人でやっていたら……私は、もっと大きなケガをしていたと思います。プロデューサーさんのおかげなんです。補助してくれなきゃ、きっともっとムリをして――」
「馬鹿言うな。無理させてたから、こんな風に倒れたんだ」
「そ、それは……」
黙り込むしかなかった。黙り込んだ私に対して、彼は更に畳みかける。
「もうやめよう。お前が無理してるのに気付けなかった、俺が無能だった。これからは、きちんとレッスンのやり方そのものを見直す。トレーナーさん任せだけじゃなくて、俺もきちんと見るから」
「む、無能なんかじゃ――」
「だから、志保」
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