32: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:30:18.06 ID:yFIcZ1s10
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―――あれ?
まず初めに、自分が横たえられているという事を知覚する。ふんわりと、自分を包んでくれているような柔らかさは、絵本の中に出てくる雲みたいだった。
――私、天国にでも来たの?
目を開く。見知らぬ天井。視界には、広がった白しかなかった。
「気が付いたか。どこか痛い所はないか?」
はたと聞こえた低い声の音源を探す。彼は、ベッドの脇の椅子に腰かけながら、こちらを心配そうに見つめていた。
「特に痛い所はありません」
「それならいいが……貧血で倒れたそうだからな。急に動くなよ、またクラっとくるかもしれないから」
「はい……?」
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