30: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:28:54.73 ID:yFIcZ1s10
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またまた別の日。私は、ウキウキしながら、普段のレッスンを終えた後、いつものレッスンルームへと足を運んでいた。
――別に、彼が見ててくれるから浮ついてるんじゃない。ステップアップできる自分が、嬉しいだけだから。
そんな、見え透いた言い訳を自分の中で繰り返す。それでも、浮ついた気持ちは止まらない。まるで遠足に行く前の日の小学生の様だった。
今日は、いったい何をしようか。出来る事なら、彼が見た事のないようなものを練習してみたい。ボイスレッスンやダンスレッスンに、なにか捻りを加えてみようか――
その時、違和感に気が付いた。彼が、入ってこない。後ろを見てみても、扉が開くような気配は全くなかった。
体の中に、穴が空いたような気がした。急に、心が沈むのが分かる。どうやら、雨天で遠足は中止になってしまったようだ。
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