27: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:26:48.78 ID:yFIcZ1s10
千早さんは、顎に手を当てて、何かを考えているように見えた。
「……どうかしたんですか?」
「志保、さっき注意していた箇所を口に出して言ってもらえる?」
「え、ええっと……」
真剣な目で見る彼女に対して、私はメモに書いてあった内容を漏らさず話した。話し終えると、彼女は目を閉じて静かにほほ笑んだ。
「――あの人は、やっぱり見ててくれるのね」
「?」
「あ、あの千早さ――」
「大丈夫よ、志保。きちんと分かってるから」
何かを懐かしむように、歌姫は目を細める。しかし、それを長く続けようとはしなかった。
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