【ミリマス】ライアー・ルージュ
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12: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:18:32.53 ID:yFIcZ1s10
 少し挑発するように、私は口角を上げてみせた。彼からしたら、私はお金を稼いでくる道具でしかない。そんな彼が、わざわざ自分の努力の外で育つのを止めるわけがない。そんな考えだった。
 ――なんでもいいから、邪魔をしないで欲しい。
 そんな意図を分かっているのかいないのか、彼は黙ったままこちらを見つめる。そして、彼はゆっくりと瞬きをした後に、口を開いた。
「……志保、今日どれくらい踊った?」
「関係ないじゃないですか、そんな事」
「関係なくない。思い出せる限りで良い、全部言え」
 どうしたのだろう。少し怒っているのだろうか?彼は、いつもアイドル達の前で見せているような、柔らかい笑みを捨てていた。眉間に皺を寄せ、私の方を睨みつけるその姿は、優しい優しいプロデューサーのそれではなかった。
「……自主レッスン分だけでなら、1時間です」
「1時間か。だが、今日のレッスンの時間は午前2時間、午後3時間を予定していたはずだ……いつもより多めにレッスン時間を取ったのに、まだ踊るのか?今日は帰って休むように、って俺話しただろ?」
「そうでしたっけ。よく覚えてません」



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