10: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:17:02.32 ID:yFIcZ1s10
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1、2、3、4、1、2、3、4。
テンポよく身体を動かそうとする。けれど、身体はついてきてくれない。元から、運動神経は良くないかもしれないけど――
「……あっ」
気づいた時には、身体が横向きになっていた。ズシンと言った音と共に、衝撃が私に伝わってくる。どうやら、知らぬ間に足をもつれさせていたらしい。
唇を噛む。こんな事ばかりしていては、いつまで経っても先輩たちには追い付けない。それどころか、静香にすら――
ネガティブなループに陥りそうになった思考を、首を振る事で強制的に断ち切る。こんな事を考えていても、埒が明かない。
――無理はするな。
頭の奥底で、この世で最も聞きたくない、頼りがいのある声が聞こえた。さっきよりも、強く頭を振るが、彼は一向に話しかけるのをやめない。
やめて。話しかけないで。聞きたくない。
「……お願いだから、やめて」
一人でに漏れ出た言葉は、私の声色で話されていても、私自身とは到底思えなかった。
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