87:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 19:58:29.92 ID:Y68L0yR+0
「つまり善意の施しにも限度があったわけですか。
押し付けられた植野さんたちも最初のうちは善意で動いていた。
しかし障害への知識に乏しい子供たちではすぐに限界が来てしまったということですね。」
「何よそれ…だってクラスの子たちが助け合うのは当然のことじゃ…」
「それにだって限度がありますよ。
実際僕たちもそのことをあなたのご自宅で痛感しましたからね。」
それは先ほど公園でずぶ濡れだった石田を保護した時のことだ。
あの時、石田は西宮家の人々から善意の施しを受けられなかった。
その原因は勿論石田の自業自得にあるわけだが…
だがそれでも愛娘を傷つけた少年を受け入れることなど出来るはずもない。
それと同様に6年2組の子供たちも
自分たちに害を与えるだけしかない硝子を疎ましく思うのも無理はないことだった。
「そりゃ西宮さんにはちょっとは悪いことしたと思ってるよ。
石田だって私たちがもっと前にやりすぎだって注意しとけばこうはならなかった…」
「それでも…西宮さんが来るまで私たちのクラスはうまくいってたんだよ…」
「けど…それも…西宮さんが来てから全部が狂い出した…」
「クラスの雰囲気は最悪で…石田もイジメられるようになって…」
「おばさんには関係ないことだけど…私…石田のことが好きなんだ…」
「そんな好きな人が…西宮さんのせいでイジメられていくのは耐えられなかった…」
「それでおばさんこう言ったよね。私たちがクソガキだって。確かにそうかもね。」
「けど私たちがクソガキなら………アンタはクソババアだ!」
「結局こういうことだろ。アンタは自分でガキの面倒見れないから私らに押し付けた!」
「つまり私らは西宮さんじゃなくアンタの後始末を押し付けられたんだ!!」
植野はこれまで憤りのなかった感情をすべて八重子にぶつけてみせた。
硝子がこの学校に来てからの恨み辛みをすべて…
すべては硝子の母親であるお前のせいだとそう罵ってみせた。
そんな罵倒を受けた八重子はようやく理解できた。
『娘の硝子を普通の子として育てたい。』
この母親として当然の願いを叶えるにはどうしても犠牲が出る。
その犠牲とはクラスメイトの子供たちに迷惑がかかること。
クラスメイトたちの迷惑によって硝子がイジメられるという悪循環が発生してしまう。
つまり自分がどれだけ硝子を普通に育てたいと願っても
そのことで生じる悪循環により周りがそれを許そうとはしなかった。
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