右京「聲の形?」
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76:名無しNIPPER[saga]
2017/06/18(日) 18:48:14.57 ID:oprjNj9s0


「失礼ですが妹の結絃ちゃんはひょっとして不登校ではありませんか。
先ほどお宅にお邪魔した時におかしいと思いました。
姉の硝子さんは無理やり学校へ連れて行かれたのにあの子はそのまま無視された。
恐らく硝子さん絡みで結絃ちゃんとの仲がうまくいってないのではありませんか。」


「さらに言えば恐らく子育てもお母さまに任せきりのようですね。
今はまだそれでもいいのかもしれません。
ですがお母さまがいつまでもその面倒を見てくれるという保証はありませんよ。」


それは西宮一家が抱えるどうしようもない問題だった。

確かに八重子は硝子のことで姉思いの結絃と衝突してしまいそのせいで不仲が続いていた。

それに…母親も…

この先ずっと母が娘たちの面倒を見てくれる保証はない。

既に高齢に差し掛かっている母だ。近い将来…亡くなることだって…

今の西宮家は辛うじて母が支えてくれているようなもの。

その母が亡くなれば西宮一家はすぐに家庭崩壊を起こす。

それはいずれ迫るだろう西宮一家が目を背くことなど許されない問題。

ここで立ち止まらなければその問題が確実に一家を崩壊させることは目に見えていた。


「私は…娘を普通に育てたい…ただそれだけなのに…何でそれが許されないのよ…」


八重子はか細い声でそう右京に訴えた。

どれだけ言われようと娘を普通に育てたい思いは決して変わらなかった。

それは母親としては至極当然の願い…

だがその願いを叶えるにはどうしてもある犠牲が生じてしまう。

そのことを八重子はまだ理解出来ずにいた。




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