71:名無しNIPPER[saga]
2017/06/18(日) 18:44:19.53 ID:oprjNj9s0
「娘さんを普通の子として育てたい。
それは言い換えれば自分がお腹を痛めて産んだ娘は障害というハンデを負っていない。
あなたもまた娘さんたちを捨てた前夫とその義両親と同じく
硝子さんの障害を受け入れることが出来ずにいるんですよ。」
「あなたは硝子さんの障害から目を背けている。そうではありませんか。」
それはあまりにも残酷な宣告だった。
この学校の連中や無理解だった父親たちだけでなく
母親である自分すら硝子の障害から目を背けているなんて…
だが硝子と障害を分けて考えれば話は別だ。
そもそも夫と離婚するきっかけになったのは硝子の障害が原因。
その原因となった障害を八重子が忌々しく思えていた。
だからこそ硝子の障害が憎かった。それを認めたくはなかった。
本来なら娘には難聴という障害は現れずに自分は幸せな生活を営むことが出来たはず。
それなのに硝子の障害が発覚したことによりそれが狂った。
義両親から忌子を産んだと罵られ夫からは離婚され、
その当時まだお腹に身篭っていた結絃共々押し付けられ自分たちは捨てられた。
確かにそれは不幸な出来事だ。
だがそれは八重子にとっての不幸でしかない。硝子にとっての不幸とは別物だ。
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