58:名無しNIPPER[saga]
2017/06/18(日) 18:28:53.65 ID:oprjNj9s0
LHRは終了してとりあえず6年2組の児童たちはそれぞれ散り散りと行動を取っていた。
そんな中、硝子は母の八重子に連れられて学校の玄関にいた。
「硝子、これから美容室に行くわよ。」
「うぅ…うぅ…」
「こうなったのもあなたの弱さが原因よ。
やっぱり髪を短めに切ってクソガキどもに舐められないようにしなければならないわね。」
「あ…うぅ…」
「こうなったのも全部あのクソガキどもとそれにこの無理解な学校のせいよ。」
硝子の言葉にもならない声に耳も貸さず無視を続ける八重子。
爪を噛みながら先ほどのLHRでの出来事をかなり不快に感じていた。
それは娘を貶めた自分がクソガキと蔑んでいるクラスメイトたち。
それに子供たちと一緒になって娘をクラスから排除しようとした担任教師。
さらに無理解な学校側。そのすべてに苛立ちを感じていた。
だが今の八重子を一番苛立たせているのは他の誰でもない娘の硝子自身だ。
自分は障害を抱える硝子を普通の子として強く育てたい。ただそれだけなのに…
何故いつもこんな裏目に出てしまうのか?
どうしてこの子は自分の想いをわかってくれないのか?
やはり難聴のせいでその想いが伝わらないからでは?
そんな疑惑が心の中で渦巻いていた。
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