13:名無しNIPPER[saga]
2017/06/14(水) 23:37:50.99 ID:coAf0aU90
「硝子はクラスのみんなから嫌がらせを受けるようになりました。
それを率先して行っていたのが…そこにいる石田くんだと聞いています…」
祖母の発言に石田は何も反論せず俯いたままだ。
話を聞くと石田は硝子のイジメを率先して行ったある意味リーダー的立場にいたそうだ。
そのイジメは上履きを隠したり机に落書きをするといった行いやそれだけでなく…
「筆談用のノート…
耳が聞こえない硝子のために
クラスの子たちとコミュニケーションを取るように持たせたノートです。
それにあからさまなまでに悪質な落書きが書かれるようになりました。」
それは先ほどずぶ濡れだった石田が唯一肌身離さず持っていたノートのことだ。
祖母は夢にも思わなかったはず。
障害を抱えた孫の為を思って持たせた筆談用のノートに悪質な落書きが書かれるなんて…
祖母としてこんな心苦しいことになるとは予想すらしていなかったにちがいない。
「なるほど、そんなことがありましたか。
ですがあなた方がここまで石田くんを嫌悪するのは
まだ彼が硝子さんに悪質な悪戯を行ったからではありませんか?」
その右京の疑問に祖母はさらに険しい顔になった。
どうやら右京の疑問は的中のようだ。
確かにいくら筆談用のノートが落書きされたからといって
ずぶ濡れの少年を家に上がらせずに拒んで追い出そうとした。
それには相応の理由があるはずだ。
そんな時、今まで黙って聞いていた結絃が我慢の限界を超えたのか石田の前であることを糾弾した。
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