14: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/06/14(水) 22:41:17.93 ID:6jKTh3xi0
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「フンフンフフーン♪」
隣を歩くフレデリカさんは、どこかわざとらしく、鼻歌を響かせています。
せっかく着けた変装用の帽子もメガネも、その鼻歌とはみ出た金の髪のせいで、無用の長物と化していました。
道行く誰もが見つめ、振り返る。
"黙っていれば"なんてよく形容されますが、裏を返せば、ヴィジュアルに関しては文句の付けようがないということでしょう。
時折こちらに声をかけ、そうかと思えばブランドショップの外に並ぶアイテムを大げさに褒めて。それでも歩幅はこちらに合わせて。
この日の現場は事務所から歩ける範囲にあるスタジオでした。
……だからこそ、フレデリカさんと私は、最近はなんだか曇っている街を闊歩しているのですが。
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