7:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:28:20.39 ID:K/Sniqz30
亜子のいる藩は小さい。
したがって、300俵はかなり大きな痛手となったはず。
だというのに、帳簿の額が“整いすぎている”。
8:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:29:30.14 ID:K/Sniqz30
そこまでなら、亜子は気にしなかった。
貧乏藩のささやかな意地っ張りだと、一笑に伏しただろう。
しかし彼女の脳裏によぎったのは、
9:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:30:04.33 ID:K/Sniqz30
その日から、亜子はこっそり
藩内の蔵を調べるようになった。
10:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:30:48.49 ID:K/Sniqz30
果たして亜子は、
蔵米に不審な出入があるのを突き止めた。
彼女の背中にじっとりと嫌な汗が流れた。
11:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:31:33.61 ID:K/Sniqz30
数年後、藩にちょっとした出費があって、
借金をすることになった。
財政上は誤差と言ってもいい、小さな額である。
12:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:32:04.33 ID:K/Sniqz30
数ヶ月後、また借金をした。
将軍様がおいでになり、
もてなしをするために金子が足りなかった。
13:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:33:46.71 ID:K/Sniqz30
それから、藩は細々とした借金を、
色々な金貸しからした。
皆、期日に妙があった。
14:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:34:49.55 ID:K/Sniqz30
そして5月2日。
この日も遊び狂っていた家老は、言葉を失った。
借金の取り立てがきた。
15:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:35:16.82 ID:K/Sniqz30
すぐに帳簿を調べさせた。
記帳がなされていなかった。
しかし物入り帳を調べると、
16:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:35:49.89 ID:K/Sniqz30
これには藩主も愕然とした。
すぐに勘定奉行に目付からの監査が入った。
そこで杜撰な金銭管理、そして千川が
17:名無しNIPPER[saga]
2017/06/13(火) 12:36:18.99 ID:K/Sniqz30
千川家の一同が肩を落としながら、
残った家財を売る算段をつけていると、
ある女が現れた。
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