4: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/06/12(月) 00:22:38.79 ID:GTk52CSjo
彼は左手に持っていた缶コーヒーを一口だけ飲んでから、こう続けた。
「武道館の時の話です。」
「みんなにとってあの場所でライブをすることはすごく特別で。俺自身の夢でもあったんです。」
「でも、日にちが近づくにつれてだんだん不安になっていったんです。」
「ライブが終わった後の命運がこのライブで全部決まってしまうんじゃないか。そう考えてしまうことがよくあったんです。」
「もちろんみんなを信頼していなかったという訳では全然なくて、むしろそこは安心していましたんです。」
「ただ、自分がもっと何かできないか、何かが足りてないんじゃないか、って思ってしまって。」
「最近、時々思うことがあるんです。みんなの頑張りに俺が追いつけているのかな、ってことを。」
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