死んだはずの妻と出会った話
1- 20
6: ◆2mwK9kDO1Y[saga]
2017/06/10(土) 19:56:26.41 ID:EDLtVNMv0

僕は、普通のサラリーマンです


いえ、わざわざ言わなくとも、この国で仕事に明け暮れる人種など、サラリーマンが大半を占めているのでしょうけれど


朝早く会社に出勤するために、妻がわざわざ早起きして作ってくれた朝食を、僕は一口も口にすることなく、玄関の扉をあわただしく開け放ちます

その時、僕が妻に、行ってきます、の一言を告げていたかどうかもわかりません


上司の飲み会について行くことが多かったので、僕が妻の待つ家に帰るのは、大抵の場合0時を過ぎた頃でした


妻は決まって夕食を作っていて、リビングのテーブルに突っ伏して意識を失っていました


妻は、朝にはめっぽう強く、逆に夜には死ぬほど弱いのです


今考えると、妻は、僕が帰ってくるのをずっと待っていたのでしょう

僕は、1週間に2度の頻度で19時には家に帰る事ができていたので


そして、そういう日は、不定期でした


だからこそ僕の妻は毎日、早く帰ってくるかもしれない僕のために夕食を作り、テーブルでその帰りを待っていたのでしょう


当時の僕は、彼女になんの感謝も抱きませんでした

むしろ、嫌悪感すら感じていました


僕は、メールで伝えたはずでした


「今日は食べて帰るから、作らなくていいよ」


ですが、何があろうと妻は夕食を作り、僕の帰りを待っていました


なんてことはないのです


一度、僕が夕食はいらないと言いつつも、結局上司と早くに別れて、ほとんど食べ物を口にせずに帰宅した日があっただけの事でした


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
85Res/56.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice