12: ◆2mwK9kDO1Y[saga]
2017/06/10(土) 20:01:15.91 ID:EDLtVNMv0
「なあ」
「どうしたの? そんな、真剣な顔して」
「君は、一体誰なんだ?」
「誰って、そんなの決まっているじゃない。貴方の妻よ」
「そんなことは分かっている。だから聞いているんだ」
繰り返し、僕は彼女に問いかけます
「君は本当に、僕の妻なのか?」
「どうして、そんなことを聞くの?」
「だって君は……死んだはずじゃないか」
すると彼女は、僅かにも表情を変えないまま、呟きました
「……そうね。確かに、死んだわ」
彼女は苦笑すると、再び僕の目を見据えて言いました
「なら私は、幽霊ってことかしらね」
「馬鹿にしているのか?」
「気にする事なんてないわ。私は今、ここにいるんだから」
「そんな話、あるわけが……」
「それより、大丈夫? そろそろ会社に行く時間だと思うけれど」
腕時計をみると、いつも家を出る時間を、5分も過ぎていました
「……行ってきます」
僕は、何もわからないまま、日常に戻りました
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