9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:35:50.06 ID:aXQmp2dV0
千秋「じゃあ、いただきましょうか」
P「そ、そうですね」
千秋(フロッケンザーネトルテ……。食べるのは何時ぶりかしら……レジデンツ宮殿にクラシックコンサートを聴きにいって以来かもしれないわね……)
10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:37:36.55 ID:aXQmp2dV0
千秋(ケーキとは言ったけど、フロッケンザーネトルテにはスポンジケーキは使用されていない。この層になっている部分にはシュー生地が使われていて、底にはシュクレ生地が敷かれている。ミルフィーユとショートケーキの間のような見た目だけど、その二つとは完全に別物の味)モグモグ
千秋(ミルフィーユにしろショートケーキにしろ、あれらはスポンジと生クリームに親和性がある。でも、フロッケンザーネトルテのシュー生地は生クリームに対抗してくるわ)
千秋(シュー生地と生クリームが互いに主張しているから味わいはとても複雑。生地の塩気も感じられるし、クリーム濃厚な甘味も負けてない。普通のケーキにおける生地とクリームの関係性が仲間同士だとすれば、フロッケンザーネトルテのそれはライバル関係と言えるかもしれない)パクッ
11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:41:57.28 ID:aXQmp2dV0
千秋「……」パクッ
千秋(それでいて、このフロッケンザーネトルテが一つのケーキとして成り立っているのは、隠れた敏腕の仲介屋がいるからね)
千秋(底に敷かれたシュクレ生地にそっと塗られているベリー系のソースや、ふわっと香る洋酒の芳ばしさがその役割を果たしている。純白のケーキの外観を崩すことなく、大人の酸味と風味を忍ばせて……まさに職人技だわ)
12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:44:49.38 ID:aXQmp2dV0
…………
P「お気に召しましていただけましたか?」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:45:59.87 ID:aXQmp2dV0
千秋「それにしても、よくフロッケンザーネトルテなんて知っていたわね」
P「え?」
千秋「ドイツ銘菓……いや、日本じゃ神戸スイーツと言われることもあるそうだけど……貴方、神戸どころか兵庫県の出じゃないでしょう?」
14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:46:57.01 ID:aXQmp2dV0
P「折角ですし、事務所のみんなにお土産としてそのバームクーヘンを買っていきましょうか」
千秋「そうね、そうしましょう」
P「人数分より少し多めにしておきましょうか。みんな食べ盛りですから」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:47:23.92 ID:aXQmp2dV0
……翌日……
千秋「ということがあったの」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:49:07.00 ID:aXQmp2dV0
雪美「……次は、私も……」
美由紀「みゆきもー♪」
翠「そ、それでは私も……」オズオズ
17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:49:45.42 ID:aXQmp2dV0
P「……ところで、僕の分のバームクーヘンは……?」
千秋「あら?」
雪美「…………翠……たくさん、食べてた……」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:50:53.58 ID:aXQmp2dV0
P「……翠さんには少しきつめのレッスンを用意しておきますね」
翠「そ、その……怒ってますか……?」
P「怒っていませんよ? この書類が一区切りついたら食べようと思っていたとか、そういうことは決してありません」
19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:52:35.30 ID:aXQmp2dV0
終わりです。
千秋さんと外国銘菓を目的に喫茶店めぐりしたいだけの人生でした。
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