1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:27:27.05 ID:aXQmp2dV0
千秋「ふぅ……」
P「お疲れ様でした千秋さん」
千秋「どうだったかしら、今日のバラエティ収録は」
P「バッチリでしたよ」
千秋「そう……」
P「何か気になることが?」
千秋「いえ……他のアイドルより目立てていたかと不安になって……」
P「……バラドルと本気で対抗されてしまうと、こちらのプロデュース方針に支障が……」
千秋「みくちゃんや笑美ちゃんはとても体を張っていたのに、私はひな壇で笑っているばかりでいいのかしら……」
P「大丈夫です、張り合わなくて」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:27:59.93 ID:aXQmp2dV0
千秋「ふふふ、冗談よ」
P「……千秋さんの冗談は本当に聞こえてしまうから心臓に悪いですよ」
千秋「冗談を言えるくらいには今の生活が楽しいの。あなたのおかげね」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:28:42.68 ID:aXQmp2dV0
…………
P「千秋さん」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:29:37.08 ID:aXQmp2dV0
P(折角いい仕事をした後なんだから、今日は笑顔で終わらせたいんだけど……うーん……)
P「!」ティン!
P「千秋さん、フロッケンザーネトルテって知ってますか?」
5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:30:28.17 ID:aXQmp2dV0
千秋「……ふ、フロッケンザーネトルテを?」
P「ええ、フロッケンザーネトルテを」
千秋「………………今パスポートは持ってないわよ」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:32:27.40 ID:aXQmp2dV0
……喫茶店……
千秋「……本当に有名店じゃない、北海道にもあるわよこのお店……。喫茶店としてくるのは初めてだけど」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:33:05.88 ID:aXQmp2dV0
P「飲み物は何にしますか?」
千秋「えーと……そうね、ダージリンを頂こうかしら」
P「分かりました。すいませーん」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:34:01.95 ID:aXQmp2dV0
店員「お待たせいたしました。こちらフロッケンザーネトルテ、ダージリンとアールグレイでございます」コトッ
※参考画像
fsm.vip2ch.com
9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:35:50.06 ID:aXQmp2dV0
千秋「じゃあ、いただきましょうか」
P「そ、そうですね」
千秋(フロッケンザーネトルテ……。食べるのは何時ぶりかしら……レジデンツ宮殿にクラシックコンサートを聴きにいって以来かもしれないわね……)
10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:37:36.55 ID:aXQmp2dV0
千秋(ケーキとは言ったけど、フロッケンザーネトルテにはスポンジケーキは使用されていない。この層になっている部分にはシュー生地が使われていて、底にはシュクレ生地が敷かれている。ミルフィーユとショートケーキの間のような見た目だけど、その二つとは完全に別物の味)モグモグ
千秋(ミルフィーユにしろショートケーキにしろ、あれらはスポンジと生クリームに親和性がある。でも、フロッケンザーネトルテのシュー生地は生クリームに対抗してくるわ)
千秋(シュー生地と生クリームが互いに主張しているから味わいはとても複雑。生地の塩気も感じられるし、クリーム濃厚な甘味も負けてない。普通のケーキにおける生地とクリームの関係性が仲間同士だとすれば、フロッケンザーネトルテのそれはライバル関係と言えるかもしれない)パクッ
11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:41:57.28 ID:aXQmp2dV0
千秋「……」パクッ
千秋(それでいて、このフロッケンザーネトルテが一つのケーキとして成り立っているのは、隠れた敏腕の仲介屋がいるからね)
千秋(底に敷かれたシュクレ生地にそっと塗られているベリー系のソースや、ふわっと香る洋酒の芳ばしさがその役割を果たしている。純白のケーキの外観を崩すことなく、大人の酸味と風味を忍ばせて……まさに職人技だわ)
12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:44:49.38 ID:aXQmp2dV0
…………
P「お気に召しましていただけましたか?」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:45:59.87 ID:aXQmp2dV0
千秋「それにしても、よくフロッケンザーネトルテなんて知っていたわね」
P「え?」
千秋「ドイツ銘菓……いや、日本じゃ神戸スイーツと言われることもあるそうだけど……貴方、神戸どころか兵庫県の出じゃないでしょう?」
14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:46:57.01 ID:aXQmp2dV0
P「折角ですし、事務所のみんなにお土産としてそのバームクーヘンを買っていきましょうか」
千秋「そうね、そうしましょう」
P「人数分より少し多めにしておきましょうか。みんな食べ盛りですから」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:47:23.92 ID:aXQmp2dV0
……翌日……
千秋「ということがあったの」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:49:07.00 ID:aXQmp2dV0
雪美「……次は、私も……」
美由紀「みゆきもー♪」
翠「そ、それでは私も……」オズオズ
17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:49:45.42 ID:aXQmp2dV0
P「……ところで、僕の分のバームクーヘンは……?」
千秋「あら?」
雪美「…………翠……たくさん、食べてた……」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:50:53.58 ID:aXQmp2dV0
P「……翠さんには少しきつめのレッスンを用意しておきますね」
翠「そ、その……怒ってますか……?」
P「怒っていませんよ? この書類が一区切りついたら食べようと思っていたとか、そういうことは決してありません」
19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/08(木) 23:52:35.30 ID:aXQmp2dV0
終わりです。
千秋さんと外国銘菓を目的に喫茶店めぐりしたいだけの人生でした。
20:名無しNIPPER[sage]
2017/06/09(金) 04:17:19.60 ID:52sCPXsT0
おつー
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