10: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/06/19(月) 21:14:28.36 ID:Ekk8e1lEO
「ただいま帰りました〜」
誰も居ない部屋に、私の声がこだまします。
良かったです、プロデューサーさんはまだ戻っていないみたいですね。
いつも通りの帰宅予定だとすると、あと2時間くらいでしょうか?
それまでは、のんびりゆっくりとしてるとしましょう。
窓から眺める景色は、赤と青が混ざった綺麗な夕焼け。
とても綺麗で、思わず写真に撮りたくなります。
この景色を、プロデューサーさんと共有したいですから。
この優しい世界を、プロデューサーさんと…
そう言えば、写真と言えば。
私の携帯電話は、何処にあるんでしょう。
アイドル業界にいたのだとしたら、連絡を取る為のソレは必需品な筈です。
それに、私の事ですからいっぱい写真も撮りたくなる筈なんですけれど。
なんて事を考えながら暗くなっていく空を見上げていると、玄関の外から音が聞こえてきました。
プロデューサーさんが帰ってきたみたいですね。
ソファから立ち上がって、スカートのシワを直します。
彼の前では、ピシッ!っとしていたいですから〜。
「おかえりなさいませ〜」
「お、ただいま。お刺身買ってきたぞー」
スーパーのビニール袋を受け取って、そのままキッチンへ向かいます。
既にお刺身の状態になっているので、お皿に盛り付けるだけですけどね〜。
予約しておいた炊飯器も、丁度炊き上がりました。
二人並んでキッチンに立つ幸せを、今日も手にする事が出来ました。
「そういえばプロデューサー殿〜、私の携帯電話は知りませんか?」
「…あー…あるっちゃあるけど、その話は食後でいいか?」
どうやら、少しばかり重い話になってしまいそうですね…。
美味しい食事は、気分から。
辛い事を考えていては、折角の二人の食事が勿体ありません。
素敵な景色を一緒に眺めたかったんです、とだけ伝えてお箸を動かしました。
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