6:名無しNIPPER[saga]
2017/06/07(水) 00:29:11.20 ID:+OmtyB7eO
「……うそ」
曜ちゃんがスマホを取り出して固まっている。
「どうしたの?」
「パパからだ。で、出ていい?」
「いいに決まってる」
確か、夏休みとか年に数回しか帰れないって言ってたんだっけ。
電話に出た曜ちゃんの声は、1トーン上がっていた。
家族との会話は、人を少し幼く見せる。
千歌ちゃんもそうだった。曜ちゃんも例外ではなかった。
というより、一層甘えん坊に見える。
そんな一面を見れたことは心なしか嬉しい。
数分後、しかし、表情は一変した。
電話を終え、
「……同級生のお葬式だって」
と呟いた。
「そう……」
曜ちゃんは、まるで自分の事のように辛い表情でスマホをしまう。
明日、曜ちゃんの家で弔いの同窓会を開くのだと、軽く説明してくれた。
同級生、友だちの死。
まだ、私には馴染みのないワード。
『曜さーん、梨子さーん!』
一年生の声が聞こえた。
『そろそろ、帰りましょー!』
私達は振り向いた。
手を振っている。
「梨子ちゃん、そのまま帰るのはマズいし、いったん家来なよ」
私は自分の姿を見下ろした。
断る理由がなかったので、お願いします、と頭を下げた。
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