54:名無しNIPPER[saga]
2017/06/11(日) 23:44:56.99 ID:BCTrOgblO
私は私で、どこかほっとしている所もあって。
デートって言うよりも、二人で悪だくみしている感の方が強い。
「曜ちゃん、見てー、手に乗って来た!」
スローモーションで、千歌ちゃんが腕を上げる。
淡いレモン色の光が千歌ちゃんの肌をまあるく照らしていた。
「千歌ちゃんの手は、甘いのかな」
「あー、分かる。みかんの食べ過ぎってことだね」
「そのせいだ、きっと」
「なんだか、やばい病気みたい」
「病気ではないけど」
二人で、小さな命を見つめた。
「ちょっと、梨子ちゃんみたい」
私が言った。
「どの辺?」
千歌ちゃんが好きな所とか。
「うっかり人間様の手に止まっちゃう所かな」
「そうだね〜、うっかり八兵衛な所あるね」
千歌ちゃんも頷く。
「そうそう、うっかりスクールアイドルすることになって」
私が言うと、
「うっかり、作曲をすることになって」
千歌ちゃんも続く。
「うっかり、ラブライブを目指すことに」
ホタルが漸く気づいたのか、慌てたように林へ戻っていく。
ピアノのコンクールも、もう一度挑戦することになって。
「梨子ちゃんさ、変わったね。きっと、千歌ちゃんがいたからだ」
「ううん、梨子ちゃんはきっかけが無かっただけだよ。千歌は偶然きっかけになれたんだよ。もしかしたら、それは曜ちゃんだったかもしれないもん」
「そう、なのかな」
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