42:名無しNIPPER[saga]
2017/06/11(日) 21:14:05.97 ID:BCTrOgblO
いくら褒めてくれても、仲良くしてくれても、そういったことは昔からあった。
千歌ちゃんは、どうだろう。小学生の頃の事なんて、引き合いに出されても困るよ。
本当か嘘かなんて気にしたくもない。
「頑張って上に行こうとしたら、あれくらい普通にあるんだよ。勝負の世界は、もっと厳しいしさ。みんなプライドだけは一人前だもん。私だって同じだよ。嫉妬もすれば悪口も言うよ。梨子ちゃんだって、そうでしょ? ピアノのコンクールは、みんながみんな、一緒に頑張ろうって、そんな千歌ちゃんみたいな事言わないよね? 個人競技は、自分との戦いなんて言うけど、結局、大会はみんなの中の一位を決めるものだから、切っても切り離せないし。周囲の期待はやっぱり数字に集中するし。結果を出せば、誰かを蹴落とすことに繋がる。頑張れば、誰かを傷つける。そういうものだよ」
「でも、誰も誰かを蹴落とそうと思って、頑張ってる訳じゃない」
梨子ちゃんが言った。
そうだ。その通りだ。
だから、現実は理不尽だよね。
「間違ってない。梨子ちゃんの言ってること、正しい」
「だから、あなたは怒っていいのよ」
「大丈夫。心配しないで。それより、黙ってて本当に……」
「何が大丈夫なの? 心配するな? バカにしてるの!?」
梨子ちゃんが、私の肩を抑える。
背中を軽く壁に打ち付けた。
165Res/122.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20