【モバマスSS】高森藍子「時間をください」
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4: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 20:56:52.53 ID:eT+S8Zf10
それからは問題なく仕事を終えた。
電話を切った数分後に彼女は到着し、急いで支度を整え、インタビューを卒なくこなした。
強いてダメ出しをするとしたら、急いだせいか少しだけ表情に疲れが浮かんでいたことだ。
雑誌のインタビューなので表情が載ることはまずないのだが、プロとしてそれを許せるほど甘い世界ではない。
彼女も必死に隠そうとしていたことが窺えたし、気づいたのもプロデューサーをはじめ彼女と親しい人だけだろう。
以下略 AAS



5: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 20:57:21.15 ID:eT+S8Zf10

「最初はそうでもなかった。いや、良いカフェだと思ったよ? 街中にあるのに静かで、どこか世界と隔離されたような雰囲気があるから疲れた時に行きたくなるんだよね」

彼は少し恥ずかしいのかわずかに顔を背けながら語った。
そして、彼が語った内容を藍子はとても理解できた。そのカフェには藍子自身同じ感想を抱いているのだ。
以下略 AAS



6: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 20:57:52.84 ID:eT+S8Zf10
――――――

街中にあるというのにカフェの中はとても静かだった。
聞こえてくるのはコーヒーがドリップされる音とカップとソーサーが奏でる金属音。それにスピーカーから流れる音楽と他の利用客の会話声くらいか。
そのどれも大きな音でないことがカフェの雰囲気を良くしていた。
以下略 AAS



7: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 20:58:23.11 ID:eT+S8Zf10

「内装も木製で揃えてるからか温かみもあるな。外観とは裏腹に店内が明るいから前来たときは驚いた」

「こういうカフェって意外と多いですよ? チェーン店とかだとお洒落な内装を重視してるカフェが多いですけど」

以下略 AAS



8: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 20:59:29.90 ID:eT+S8Zf10

「そうか」

「…………」

以下略 AAS



9: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:00:03.81 ID:eT+S8Zf10

「はい。成長するにつれてその発作も起こらなくなってて油断してました。……ストレスが問題かもしれませんね」

「ストレス…か。藍子も知名度があがってきてるころだしなー。わかってるかもしれないけどあんまりネットの声に耳を傾けすぎるなよ?」

以下略 AAS



10: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:00:55.64 ID:eT+S8Zf10

それからは長い沈黙が訪れた。それ以上追及することが逆に藍子の負担になるのではないかと考えたからである。

それに、彼は気づいていた。藍子が目を見て話すことが極端に少なかったこと。
ただ気落ちしていたわけではなく、まだ真実をすべて話していないこと。
以下略 AAS



11: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:01:39.80 ID:eT+S8Zf10

「もうそんな時間ですか?」

「そうだよ。やっぱ藍子といると時間の流れが早く感じるな」

以下略 AAS



12: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:02:16.90 ID:eT+S8Zf10
――――――

数日後。

「おはよう藍子。この前のインタビューの見本できてるぞ」
以下略 AAS



13: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:02:43.30 ID:eT+S8Zf10

―今注目のアイドル
―笑顔が可愛い癒し系

これくらいならば恥ずかしくは思ってもまだ認められるだろう。けれど、さらに二行ほど言葉を並べられていて、藍子としては大袈裟に思うほかなかった。
以下略 AAS



14: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:03:26.23 ID:eT+S8Zf10

「でも私はそんな立派な人間じゃないと思っています」

けれど、はっきりと言い切った。
ファンや周囲の人間は褒めてくれる。
以下略 AAS



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