「この前殺した初音ミクはいい奴だった」
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/05(月) 00:12:55.81 ID:eSjarJ1O0

ワープしたように風景が変わった。
何が起きたのか分からず辺りを見渡す。

「……はぁっ、はぁっ、きっつーこれ!!」

「リン、よく頑張りました」

「マスター、ミリオン2つなんて一瞬しか無理だってば!!めちゃくちゃきつかった!!死ぬかと思ったぁー!!」

リン、と呼ばれた少女はひどく疲弊していた。
声は相変わらず元気だったが身体は汗だくで、腕や足には無数の切り傷が出来ていた。

地面に倒れ伏したままで、起き上がる元気はなさそうだ。

「一体、何が起こったんですか……?」

「えんじぇぅの翼に、ぶっちぎりのスピードを上乗せしました…… 今のは超緊急の回避技、逃げ技です。使ったらしばらく動けませんし、何より移動の負担でリンの身体が持たない。まあ、あの化物相手に誰も死なずに、ミクまで取り返せたんだから上出来でしょう……」

サンガツも汗だくだ。
言葉は強気だったが、重音テトとは逃げるだけでこれほどまで消耗する相手だったのか。

横で地面に伏す初音ミクを見た。
何故昨日、雨の中泣いていたのかは分からないままだ。

でもいくらロボットとはいえ、人の姿のモノがボロボロになった姿を見るのは心が痛む。
思わず『マスター』を宣言してしまった俺と初音ミク、これからどうなる事か。

先ほどまでの非現実的な戦いを思い出し、身震いがした。
スーパー絶叫マシーンに乗せられ、しっかりシートベルトをされたような気分だ。

息を整えていたサンガツが、ようやく口を開いた。

「それでは改めて自己紹介をしましょう。私は沖田三月。VOCALOID『鏡音リン』のマスターです」

「あたしは『鏡音リン』だよー……よろしくぅ……」


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