3: ◆kqD/54aJTU[sage saga]
2017/06/04(日) 15:56:09.42 ID:TDkutjQC0
海をひっくり返したような鈍色の中に一つ。
整然としていたはずのかつての形を微塵も感じさせないほどに歪められて溶かされてしまった、街灯に照らされた『それ』は、か細い慟哭をその中から漏らしていた。
その声に足を止めてしまった者の宿命だろうか、『それ』の中を覗き込んでしまったが最後、和久井留美は声の主の瞳に射竦められたかのごとく魅入られてしまった――
22Res/9.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20