64: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:14:29.72 ID:vaSvTruRo
「えーっと、シンデレラ……でしたっけ?」
李衣菜は私に向かい、首を傾けた。
65: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:15:26.50 ID:vaSvTruRo
そんな李衣菜を見て、夏樹はクスリと笑う。
「ああ、本当においしい。それぞれの尖ってる部分をお互いが補いあって、良いバランスになってる」
66: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:19:50.54 ID:vaSvTruRo
「シンデレラかぁ」
グラスを夏樹に返しながらも、李衣菜の瞳は、姫の名を冠する酒を追っていた。
67: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:20:58.98 ID:vaSvTruRo
グラスの結露で両手を濡らしながら、李衣菜は頷いた。
「そうだよね。なれないと思ってたら、なれないよね」
68: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:21:56.45 ID:vaSvTruRo
「ち、ちゃんと練習するもん!」
夏樹のからかいに、李衣菜はそっぽを向き、自分のグラスを飲み干した。
69: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:22:31.98 ID:vaSvTruRo
夏樹を見ると申し訳なさそうに手を挙げ、苦笑いをしている。
どうやら次の一杯で最後にした方が良さそうだ。
70: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:23:06.60 ID:vaSvTruRo
ロックなカクテルについて思案しつつ、李衣菜の前に冷水を置く。
彼女の様子を伺うと、少しテンションが上がっているだけでそれほど酔いが回っているようではなかった。
71: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:24:28.98 ID:vaSvTruRo
カクテルグラスを冷やしつつ、ステアグラスに氷を入れる。
バースプーンで氷を回して角を取り、材料を注いでいく。
72: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:27:05.84 ID:vaSvTruRo
そしてもう一つ。これは私なりの工夫です。
出来上がったカクテルの隣にもう一つショットグラスを。
73: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:27:44.35 ID:vaSvTruRo
私がテーブルの脇に着くと、夏樹は片手で顔を覆って、
必死に笑いを抑えようとしていた。
李衣菜はといえば腹を抱え、テーブルに頭を打ち付け、
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