51: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:04:44.45 ID:vaSvTruRo
私は彼女を知っていた。
「多田様ですね。木村様よりお話は伺っております」
52: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:05:33.38 ID:vaSvTruRo
ひとしきり笑ってから、夏樹は指を立てる。
「じゃあ、私はノンアルコールで。今日は運転しなきゃなんだ。
だりーにはカッコいいのを作ってくれ」
53: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:06:03.79 ID:vaSvTruRo
「かしこまりました」
机に背を向け、仕事場へ向かおうとすると、後ろからこそこそと話し声が聞こえる。
54: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:06:32.49 ID:vaSvTruRo
「さて」
カクテルグラスとロックグラスをそれぞれ用意し、氷で冷やす。
55: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:07:17.61 ID:vaSvTruRo
まず、シェイカーに氷を詰める。
そこにウオッカを30cc、オレンジキュラソーを15cc、ライムジュースを15cc注ぐ。
56: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:08:04.44 ID:vaSvTruRo
「次は木村様」
先程と同様にシェイカーに氷を詰める。
57: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:08:52.58 ID:vaSvTruRo
李衣菜は興奮気味に手元の小さな拍手で、
夏樹は無言のまま、口元の微笑みと瞳で私を迎えた。
「お待たせしました」
58: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:09:32.51 ID:vaSvTruRo
「ありがとう」
そう言って夏樹はグラスを傾けた。
59: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:10:13.26 ID:vaSvTruRo
一口を飲み込み、グラスから口を離すと、李衣菜の表情に花が咲く。
「これおいしい…!
爽やかで、キリッとしてて……
60: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:11:06.52 ID:vaSvTruRo
「うん……おいしい」
何度か味を確かめながら含み、李衣菜は頷く。
61: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:11:37.56 ID:vaSvTruRo
「オレンジキュラソー…へぇ…」
李衣菜はグラスをじっと見つめ、呟く。
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