32: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:45:46.86 ID:vaSvTruRo
顔だけこちらに向けて、彼女は聞いた。
「ミキのイメージ?」
33: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:46:39.77 ID:vaSvTruRo
彼女は瞳を伏せたまま、口元だけで笑う。
「いいえ、そうではありません」
34: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:47:09.76 ID:vaSvTruRo
気がつくと彼女はこちらをじっと見つめていた。
純粋な瞳に思わず顔を背ける。
35: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:47:55.53 ID:vaSvTruRo
彼女はグラスに顔を近づける。
「いい香りだね」
36: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:48:54.01 ID:vaSvTruRo
「ありがとうございます」
「コクがあって、まろやかな感じ」
37: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:49:40.38 ID:vaSvTruRo
彼女は暫く考え、一言。
「…うん、ぴったりかも」
38: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:50:26.97 ID:vaSvTruRo
「甘いチェリーともよく合うね」
「コクがありますので、甘味と相性は良いかと」
39: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:51:17.30 ID:vaSvTruRo
グラスが空になると、彼女は札を一枚置き、コートを羽織った。
「お釣りはいらないの。お話、聞いてもらったから」
40: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:52:11.17 ID:vaSvTruRo
数ヶ月後、テレビのニュースは星井美希一色だった。
どの番組でも同じ見出し。
「星井美希、電撃結婚」
41: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:52:48.54 ID:vaSvTruRo
私はとあるバーのマスター。
長年この仕事を続けていると、時折珍しいお客様も訪れる。
42: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:53:20.37 ID:vaSvTruRo
【とあるバーと金色の女王】
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