24: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:12:05.62 ID:vaSvTruRo
黒いストローをくるくる回すと、グラスの中はじわりと薄紅色に染まっていく。
それは先ほどまでとは違う、春の朝焼けのようにも見えた。
25: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:15:48.60 ID:vaSvTruRo
「お口に合いましたようで」
小皿に移したナッツをグラスの隣に置く。
26: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:16:16.41 ID:vaSvTruRo
「そうなんだ」
そう言ってアーモンドを口に投げる。
27: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:16:57.15 ID:vaSvTruRo
乾いた口をお酒で潤しながら、彼女は続ける。
「プロデューサーもね、お嫁さんも、キラキラしてて、すっごい……すっごい、綺麗だった」
28: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:39:31.02 ID:vaSvTruRo
「羨ましかったな。お嫁さん」
「憧れますか?」
29: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:42:51.63 ID:vaSvTruRo
「何かお飲みになりますか?」
空いたグラスを下げながら聞く。
30: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:44:35.68 ID:vaSvTruRo
ミキシンググラスに氷を入れ、氷の角を取る。
そこにバーボンを40cc、スイートベルモットを20cc、ビターズを少し多めに2振り。
31: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:45:10.79 ID:vaSvTruRo
彼女は自分の腕に顎を据えて、私の手元をじっと見つめていた。
グラスを差し出すと顔をこちらに向けて、口元で笑った。
32: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:45:46.86 ID:vaSvTruRo
顔だけこちらに向けて、彼女は聞いた。
「ミキのイメージ?」
33: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:46:39.77 ID:vaSvTruRo
彼女は瞳を伏せたまま、口元だけで笑う。
「いいえ、そうではありません」
34: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 21:47:09.76 ID:vaSvTruRo
気がつくと彼女はこちらをじっと見つめていた。
純粋な瞳に思わず顔を背ける。
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