7:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:10:59.59 ID:pVIxyO240
この2人は、また、新しい遊びをよく思いついた。
その中で一等気に入っていたのは、『茶会話』であった。
これは、2人が形式張った、
8:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:11:44.13 ID:pVIxyO240
たとえば葛餅は『嫌い』。
ひなあられは『おめでとう』。
最中は『退屈』。
9:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:12:14.66 ID:pVIxyO240
打ち合わせもせず、気にくわない相手に2個
葛餅を送ってしまった時など、互いに笑いを堪えるのに苦労した。
無論その人は遊びなど知らないから、きょとんとする。
10:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:13:41.18 ID:pVIxyO240
さて、周子が京に帰ってきたのは、この紗枝に会うためであった。
今度開かれる茶会は、紗枝が最後に参加するもの。
紗枝は肺に水がたまる病にかかって、現在療養中の身。
11:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:14:45.46 ID:pVIxyO240
だが、2人を決定的に引き裂いてしまう出来事があった。
周子は、まだ紗枝が元気だった頃に、
彼女が大切にしていた茶器を借りた。
12:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:16:20.26 ID:pVIxyO240
周子は、それをなだめるために、
彼女の好物である羊羹を茶会のたびに持って言った。
無論、謝罪の意味が当てられている。
13:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:17:26.82 ID:pVIxyO240
こうなってくると周子も頭にきて、
茶会に顔を出さなくなってしまった。
それどころか、京の町から飛び出してしまった。
14:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:17:58.79 ID:pVIxyO240
そうして口も聞かず、顔も合わせないようにして、数年経った。
しかし今度の茶会は、紗枝が顔をだす最後の茶会。
もしかすると、今生の別れになるやもしれぬ。
15:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:18:57.01 ID:pVIxyO240
京には死の匂いが充満していた。
周子が発つ前から、にわかに飢饉の予兆があったが、
まさかここまで深刻なものになろうとは。
16:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 12:22:13.09 ID:pVIxyO240
貧しい住民達はおかしくなっていた。
死体を食らうことはなかったが、
毎日大量に出る遺灰を、これでもかと畑にまいていた。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/06/02(金) 12:22:43.76 ID:DjqgVPUUo
ふみふみ「佃煮にして食べればよいのです…」
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