【モバマス時代劇】桐生つかさ「杉のれん」
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38:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 20:00:11.64 ID:3uv3ojMy0
しかしある時、勘定奉行に勤める美玲の母が、

多額の横領の疑いで捕縛された。

町奉行はその罰として、早坂家一門を斬首の刑とした。

罪状からはありえないほどの極刑である。

なにかの意思が介入していたのは、

火を見るより明らかであった。

そして斬首を執り行うのは、仁奈の勤めであった。

「いやでごぜーますよ!
 
美玲さんを斬るなんて、ぜってぇやでごぜーますよ!!」

仁奈は泣き叫んで、奉行からの命に抗った。

どうして、生涯で初めて出来た友を

自らの手で殺めねばならないのか。

処刑人の家系に、醜い肌を持って生まれたのは我慢ができた。

だがこの運命には到底耐えられぬ。

「それでは、他の武士にやらせるか」

両親は仁奈にそう言った。

不得手な者が刑にあたれば、

罪人は必要以上に苦しむことになる。

それでもよいのか、と。

美玲の斬首は、覆しえぬ現実であった。





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