7: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:18:16.64 ID:pDk4sywp0
「そう、ただし負けたら相手の言うことに一つ従うという悪魔的なババ抜きよ!」
飽きもせず、懲りもせず、挨拶みたいな気軽さで、私にけったいな勝負を持ちかけてくるのだが。
「うーん、まあ……たまには勝負も悪くないかもな」
いつもなら第二宇宙速度くらいの速さでお断りするんだけど、今の私は以前とは少し違う。
例の件でサターニャには借りがある手前、ババ抜き程度の勝負に付き合うくらい私とて吝かじゃない。それにたかがババ抜きだろ。
そんな風に自分で言い訳を考えながら。
私の返事が意外だったらしく、サターニャは鳩が豆鉄砲を食ったような間の抜けた表情を見せるが、変に理由を追求してくることもなく、いつもの調子に戻ると早速トランプを配り始めた。
「うふふ、罰ゲームありのババ抜きなんて見ている側もなんだか緊張しますね」
いつの間にかギャラリーと化していたラフィエルが自ら審判役を買って出た。
この天使、実にノリノリである。
わりとどうでもいいか。
ヴィーネは傍で勝負の行方を静かに見守るスタンスらしい。
天使と悪魔に見守られながら、サターニャとの真剣勝負が始まった。
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