6: ◆VsKDZIx0tDcQ[saga]
2017/05/31(水) 16:17:40.92 ID:pDk4sywp0
そう思いながら、ゆっくりと目を開ける。
そこには、さっきまで邪険にしまくっていたサターニャが、必死な表情で私を保健室に運ぶまでの一部始終が鮮明に映し出されていた。
私はこの時、不覚にも彼女に、ときめいてしまったのだ。
今まで経験したことがない不思議な感覚。
得体の知れない恥ずかしさと、強烈なまでの心地良さが同時に身体の中に湧き起こる。
心臓が一定のリズムで力強く脈打ち、その音が次第に大きくなっていくのがわかった。
このまま外に飛び出してしまうんじゃないかと思うほどに。
きっかけといえば、やはりこれがそうなんだろう。
この日から私はサターニャのことを意識するようになった。
彼女は実に表情豊かで、現代には珍しいくらいの純情で、目で追えば追うほどに惹かれ、彼女の一挙手一投足がとても尊く感じるようになったころにはすでに、私の頭の中はサターニャで占領されていた。
そんな私の気持ちに気付くそぶりもなくサターニャは以前と変わらず、今日も元気な様子で。
「ガヴリール!私とババ抜きで勝負しなさい!」
「ババ抜き?」
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