7: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/05/30(火) 18:00:04.02 ID:Bv1bX58W0
蝋燭が放つオレンジ色の灯りを受けて、鈍く輝くフォークとナイフ。
スッ……っと刃先が入れば良かったが、理想と現実はいつだって隔たりがあるものだ。
彼女は肉を切り分ける為、フォークを持つ手に力を込めるが……
結局諦めた様に肩を落とすと、肉を手づかみで皿の上から持ち上げた。
そしてそのまま、齧りつく。前歯で小さく噛んだ後は、犬歯も使って噛み千切る。
調理方法が悪いのか、口にした肉は随分と硬く
――女子供は柔らかいと言う話も、案外アテに出来ないな――なんてことをふと考える。
時間があればトロトロに煮込んだり、もう少し手の凝った料理でも"相手"を味わってみたかったが、
日持ちしないとも聞くし、何より事に及んだ彼女自身、そんな悠長な時間が無い事を知っていた。
今はただ、この幸福に満ちた食事の時が一秒でも長く続けば良いのに……
そんなことを考えながら、黙々と口を動かし続けるだけだった。
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