484:名無しNIPPER[saga]
2017/08/31(木) 02:45:40.16 ID:h2abarDbO
戦士「随分と軽い男だな」
盗賊「まあまあ、そう言ってやるなよ」
盗賊「で、男は彼女を外に連れ出した。馬に乗せて草原を駆け、街に着けば買い物をした」
盗賊「彼女は目を輝かせていたよ。男には見慣れた光景でも彼女には新鮮で鮮烈だったんだ」
盗賊「そんな彼女の顔を見て、男は嬉しくなった」
盗賊「ほんの短い間しか過ごしていないけど、男の中で彼女の存在は大きくなっていたんだ」
盗賊「それこそ何物にも代えがたいくらいにね。男は少し戸惑ったみたいだ。これまでは一度足りともそんな気持ちにならなかったから」
戦士「……それで?」
盗賊「甘やかな時は長く続かなかった。非情な現実ってやつが次々と彼女を襲ったんだ」
盗賊「彼女は悩んだ末に元いた世界に帰ることにした。が、男がそうさせなかった」
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