5:名無しNIPPER[sage]
2017/05/26(金) 21:11:22.44 ID:qzZUPq200
キョン「えっ?」
思わず間抜けな声が口から出てしまう。
ちょっと待ってくれ。いまなんと言った?
俺の耳には『Tバック』がどうとか聞こえた。
しかし、それはあり得ない。長門が、そんな。
あの長門だぞ?そんなことを聞く訳がない。
恐らくは……そう、『ティーパック』だ。
きっとそうだ。そうに違いない。間違いない。
彼女の発音が悪かったのか、それとも俺の耳が悪かったのかは、今となっては定かではない。
しかし、長門が膝に乗っているシチュエーションから鑑みるに、浮かれた俺が幻聴を聞いたのだろう。なんとも恥ずかしい聞き間違いだ。
全く、自分の頭を引っ叩いてやりたい気分だ。
そこまで思案を巡らせ、自分を納得させた俺は長門に対して返答する。落ち着いて、冷静に。
一口お茶を啜ってから、口を開いた。
キョン「そうだな……最近の『ティーパック』は確かに美味い。それは認めるが、やはりお茶は茶葉で淹れるのが一番だと、俺はそう思うぞ」
よし。一切動揺なくスラスラと言えた。
これならば、おかしな幻聴に苛まれていたとは思うまい。極めて満点に近い返答だろう。
しかし、悲しい哉……
現実とは、残酷だった。
長門「……私が聞いたのは、『Tバック』のこと」
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