森久保乃々「これだけは無理なんですけどぉ!!」
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47: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/05/28(日) 21:05:51.69 ID:IavW4Xih0
プロデューサーさんは、どこか遠くを見つめています。
『死にたい。』
まさか、プロデューサーさんの口からこんな言葉が出るなんて思ってもみませんでした。だって、プロデューサーさんは私と違って強いから。どんなに苦しくても、辛くても、自分のするべき事からは逃げない人で…いえ、だからこそ、そう思ったのかもしれません。
私はよく弱音を吐きます。でも、そのほとんどはプロデューサーさんが聞いてくれます。なので私は、辛いとき、苦しいときに助けになる存在がいると言えます。
でも、プロデューサーさんは?辛いとき、苦しいとき、プロデューサーさんはどうしているのでしょう?
全部一人で解決しようとして、抱え込んで、辛くなってもそんなそぶり見せないで、苦しくなっても何でもないように振る舞って。弱音は全部自分の中に押し込んで。
『死にたい。』
さっきの言葉が、私の中で繰り返し響きます。
「…プロデューサーさん?」
私はたまらず声をかけてしまいました。なんでそんな言葉を言ったのか、疑問を解消するために。
「…何でもないよ、気にしないで。」
プロデューサーさんは、はぐらかそうとしました。
何でもない人が、理由もなしに『死にたい』なんて言うわけがありません。でもプロデューサーさんは、『何でもない』ということにしようとしています。
私は、悲しくなってきました。私だって、プロデューサーさんが辛いとき、弱音を吐きそうなときは力になりたい。『死にたい』なんて、言ってほしくない。
「…乃々ちゃん?」
「何でもない人が、『死にたい』なんて言う分けないじゃないですか。」
私は声を荒げてしまいました。やけくぼだったときよりは小さいけど、それでも病院内ということを考えると、大きかったと思います。しかし、私にはそれを考える余裕はありませんでした。それほどまでに、悲しくて、悔しくて。
「どうしてですか…?」
「え?」
「どうして…そんなこと言うんですか?」
プロデューサーさんがこの世からいなくなる…考えただけでも、私の心はひどく締めつけられます。
冗談でも、プロデューサーさんにはそんなこと言ってほしくありません。
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