森久保乃々「これだけは無理なんですけどぉ!!」
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17: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/05/23(火) 20:40:39.55 ID:fgfGQ0zl0

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 昨日の天気が嘘のように晴れています。私の心は少し昨日の事を引きずっています。

 あれから、部屋でも一人落ち着けなくて、ベッドに入っても寝付けなくて。で、眠れたと思ったら夢にも出てきて、夢の中ではもっとずっとプロデューサーと密着してて。結局、目が覚めてあまり眠れませんでした。

 いまプロデューサーさんと出会ったら、どうなっちゃうんでしょうか。とりあえず、いつも以上にちゃんと喋ることが出来ないと思います。

 でも、明後日の収録の打ち合わせがあるので、顔を合わせないといけません。それに、昨日出来なかったノートの回収も。

「昨日のうちに…全部済ませておけば良かった…。」

 でも、過ぎたことはどうしようもありません。平常心を保って、早めに済ませて、早めにその場を去るようにしましょう。

「おはようございます…。」

「ああ、乃々ちゃんおはよう。」

扉をあけると、プロデューサーの姿が見えました。平常心、平常心。

「え…?」

 平常心は、一秒たりとも保てませんでした。プロデューサーさんの手に、昨日の私の忘れ物があったのです。

「昨日はごめんね…あれって完全にセクハラだよね、本当にごめん、乃々ちゃんの気持ちも考え」

「ノーート!!」

ついつい大声を上げ、プロデューサーに詰め寄り、ノートをひったくります。さっきまでちゃんと話せるか不安だったのが嘘のよう。

「の、乃々ちゃん?」

「みみみみみみ、見てないですよね!?中!見てないですよね!!?」

「見て、ないけど…。」

「本当に見てないんですよね!?」

「見てないよ。」

 その言葉を聞いて、よろよろとその場にへたり込みます。

「良かった〜…。」

「乃々ちゃん、絵本でも描いてるの?」

「ひゃい!?」

でも、またすぐに飛び上がってしまいました。

「な何で分かったんですか!?やっぱり見たんですか!?」

「いやだって…表紙に名前と『絵本』って書いてあったし、乃々ちゃんが絵本を描いてるのかなって…違った?」

「いえ…違いませんけど…。」

「絵本描いてるんだ!」

思った以上に食いつかれてしまいました。嘘でも、「違う」って言っておけばよかったです。

「いやー、すごいなぁ!どんな内容なの?良かったら見せてもらってもいいかな?」

「え…?」

 私が思っていたのとは、違う反応をプロデューサーさんはします。

「…あ、ご、ごめん!昨日といいほんとデリカシーが足りな」

「おかしく…ないんですか?」

「え?」

「私が…これを描いてるの…おかしいって思わないんですか?」

「おかしい…?」



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