梨子「曜ちゃん、怒らないで聞いてね」
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84:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 00:05:12.80 ID:CWTImbsX0
元気な子犬のような千歌ちゃん。
私をスクールアイドルに誘ってくれた千歌ちゃん。
私の今は、きっとこの子によって輝いていて。
千歌ちゃんを好きにならない理由なんて、きっとないのに。

先日、曜ちゃんが私を電車の人並みから守ってくれた事を思い出す。
ドキドキした。曜ちゃんは全く気付いていないようだったけど。
あのまま、ずっと目の前にいてくれたらいいのになんて。
首筋を見られた事さえ、何度も思い出してはにやけてしまった。

千歌ちゃんの首筋を盗み見る。
もし、これが曜ちゃんだったら。
たぶん抱き着きたくなってた。
千歌ちゃんは、どうしても友達という面が強すぎて、恋愛対象に見れない。
ましてや私より女の子らしい彼女に、恋人としてどう接したらいいのか全然分からない。

「梨子ちゃんどうしたの?」

「うん、今日の服、可愛いなって」

「あ、これね、前に曜ちゃんに選んでもらって買ったんだけど、デートに着ていく服って想定で……まさか、使うとは思わなかったけど……あはは」

「そうなんだ」

曜ちゃんとね。
相変わらず鈍感な千歌ちゃん。
私は何食わぬ顔で洋服についていたリボンを手に取る。

「り、梨子ちゃん?! ち、近い近い」

「いいなあ」

「ええ?」

曜ちゃんに服を選んでもらって。
さすが、曜ちゃん。千歌ちゃんにぴったり。
羨ましいな。

「曜ちゃんに頼んでおこうか?」

何も考えて無さそうな千歌ちゃんが、言った。

「ううん、ありがと」

だから、私、千歌ちゃんとはダメなのね。


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