39:名無しNIPPER[saga]
2017/05/28(日) 18:01:43.47 ID:InKgyXIS0
「万が一、千歌ちゃんが迷惑かけたら、すぐに私に言って」
梨子ちゃんの手を握る。
「曜ちゃん……曜ちゃんは」
どきりとした。
梨子ちゃんが、すがるような目で私を見ていたから。
言えないことが、あるのかもしれない。上手く言えないことが。
「二人とも大切だから、幸せになって欲しいんであります」
寂しくて挫けそうな自分もいる。
でも、今は邪魔なんだよね。
気遣ってくれる梨子ちゃんの気持ちも分かってる。
でも、私は一度この子を傷つけて後悔した。自分の気持ちを押し付けて、梨子ちゃんを遠ざけようとした。
「ごめんね……曜ちゃん。私、一つだけ言ってないことがあって……」
「なに?」
だから、今度は私が受け止めてあげたいんだ。
梨子ちゃんと千歌ちゃんの気持ちを。
窓から見える風景が変わった。
山間の道に入っていく。
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