21:名無しNIPPER[saga]
2017/05/23(火) 00:11:53.46 ID:uF7jTqVS0
駆け込まないでください、と駅員さんが列を整理している。
連休効果か、いつもは人気の無い駅構内に家族連れやカップル連れが多かった。
「はあッ……曜ちゃん、行ったこと……あるッ?」
なんとか間に合った電車も満員で、手すりにすがりつきながら梨子ちゃんが言った。
「ふうッ……あるわけないじゃんか」
梨子ちゃんを押しつぶしてしまわないように、腕で何とか体を支えながら、空しい気持ちで溜息を吐く。
「そっか、良かった」
どう言う意味だろう。
「千歌ちゃんも乙女だよね」
私は言った。
「そうね」
「まあ、でも愛されてるゆえじゃない?」
梨子ちゃんに笑いかける。
「梨子ちゃんがちょっとふわっとしてるから、繋ぎ止めたいのかな。頑張ってね、あの子、諦め悪いから」
「知ってるわよ」
二人で笑い合った。
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