135:名無しNIPPER[saga]
2017/06/05(月) 00:53:39.15 ID:6ARxF7nsO
自分の傷の治し方さえ知らない人に、私の怪我まで背負わせたくない。
曜ちゃんは困ったような顔をする。
そんな顔も愛しくて、ずっと見ていたくなる。
もっと、困らせたくなる。
本当は、私のことで、もっと、悩ませたくなる。
「あとね、私ね、千歌ちゃんのことフッたから」
「え、うそ!?」
「ホント!」
波打ち際の際まで来て、私は座ってグリグリと枝で砂を掘り起こす。
「曜ちゃん、色々ありがとう」
「千歌ちゃん、どうだった?」
「聞いてどうするの? 自分が慰めるの?」
「私には、慰める資格なんてないよ。ただ、引きずってないかなって」
「それは、すぐに諦める人なんていないと思う。そんなにすぐに心変わりできるならしてみたいけど」
相変わらず、曜ちゃんは千歌ちゃんを中心に考えるんだから。
嫌になる。そういう所、全く理解できない。
その癖、人の傷を自分で背負いこもうとする。
あれ以来、曜ちゃんはあまり笑わなくなったらしい。
練習の時はそうでもないけど、教室ではクラスメイトに話しかけられても避けることが多くなってしまったと千歌ちゃんが言っていた。
「区切りがついたから、曜ちゃん、私も隠していたことバラすね」
私は砂浜に書いた文字を、指差して、曜ちゃんに見せた。
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